中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
だぜ? 僕は? …君の表情を見る限り、君は僕に対して激しい憎悪を抱いているように見えるけど、まあ君を裏切ったのと同じようなものだから、そう思われてもしょうがないね…」
君は脅迫じみた言葉の割に、淡々と喋りほんの少し頬を緩ませた。僕は未だ金縛りが解けなくて、君の既にこれからの人生に諦めがついているような態度をただ見下ろしていると、余計に悲しさが込み上げてきた。
「……」
「…君がショックのあまり声が出ないのはよく分かるよ。あんなに僕のことを信頼してくれてたのに、?友達?として親しくしてくれていたのに、その結果があのザマだからね。これでよく分かっただろう? 僕はもう君の知っているような善良な
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