中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
した。時々君に対する批評から僕に対するレスを書き込んでくる者がいたが(おい、このきちがいをどうにかしろ、などという旨のものだったが)、それは眼球に通して後頭部の皮膚の毛穴から蒸気として排出し続けた。
やがてサイトの管理人(おそらくは君のバンドのレコード会社の人間だろう)と名乗る者が掲示板に一言だけ書き込みをした。
「大変申し訳ございません」
そしてとうとう僕は書き込みができなくなってしまった。更に、そのサイトへのアクセスが禁止にもなり、携帯電話のサイトまでも、閉鎖されてしまった。その日から大学院の授業には出ずに、携帯電話から日本一巨大な掲示板を一日中閲覧していた。もう僕には書き込むこと
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