中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
液が、或いはそれ自体が、凍結してしまいそうな程冷たく感じられた。僕は胸を突くような痛みと止め処なく溢れてくる涙を抑えきれなかった。どの位だろうか、君との思い出が、悲哀によって失われた正常な感情を穴埋めする為に、必然的に甦ってきた。僕は精神の、自己防衛機能を激しく恨んだ。衝動的に自分自身を抹殺したくなった。だが、?結局は?君が犯罪者になってしまったという現実に引き戻されると、それらの感情は水没し、僕は広げていた夕刊を、ぐしゃぐしゃに丸めてTVに投げつけて、無我夢中で二階へ駆け上がり、パソコンの電源を入れてインターネットに繋ぎ、恐る恐る君の公式サイトを開いた。掲示板には凄まじい数の批判が書き込まれてい
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