中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
をしているうちに、朝日が昇ってきて光がこの空間にも差し込んで来た。
「もう時間だね」
君は涼しげに微笑み、文芸誌や周りのゴミを片付けて、入り口の方へ歩いていくと、此方へ振り返って、逆光の中、いつものようにだらしなく右手を挙げた。
ニューアルバムの発売が公式サイトに発表され、発売日の前日、僕は興奮のあまり、中々寝付けなかった。外は猛吹雪で荒れていて、この調子だと明日の大学院の一時限目は休講になると予想した。明日になれば教授からメールで休講の知らせが来るだろう。そのこともあってか、だんだん気持ちが落ち着いてきて、次第に強張っていた全身の力が抜け、?明日一番に店屋に行ってアルバムを
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