中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
その衝撃は更に耳を研ぎ澄まさせて、君の瞬きの音までも聞こえさせてきそうだった。
「…君の悩み、僕にも分かるような気がするよ…」
僕は無意識に小説を応募する文芸誌の表紙の一点を見つめ、なるべく会話と会話の間をつくらないように言った。暫くした後だっただろうか、君の笑い声が聞こえてきた。
「ハハハハ…」
僕は君の顔を見上げると、君はこの上ない程の柔らかい表情をした。
「有り難う…」
君は僕の肩を優しく叩いた。
「去年は、色々な事があったけど、無事に過ごせてよかった…。今年は、君にとっても…僕にとっても飛躍の年になればいいね。きっと君なら自分の夢を叶えられるさ…こんな僕だって夢が叶った
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