中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
いかなければならないという苦痛を感じていた。
自宅へ帰ると、公式サイトの掲示板に想いを込めて何行分もの書き込みをした。
【一月】
「いやあ、君のバンドのライブは最高だったよ」
僕は君に新年の祝いとして、焼酎やカクテルやつまみを沢山持ち込み、発売したばかりの二月号の文芸誌をいつものように、ぴかぴかに磨き抜かれたフロアーに並べ、ワクワクしながらそれらの斬新な表紙を眺めていた。
「君に喜んでもらえてとても嬉しいよ。去年は追加公演も加わって、クリスマス返上で、企画ライブツアーをやり終えたことにとても充実感と自分自身の成長を感じたよ。あれから、不思議と曲の歌詞作りが捗って、年
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