中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
 
ップ曲が多いからその影響かもしれない。リズムのスピードについて行けなくても、歌詞の意味が分からなくとも、それぞれの不足分を、文学的な歌詞や、疾走感溢れるリズムで補っているのかもしれない。演出もまた、良かった。ギターやドラムの音に合わせて、カラフルなスポットライトに照らされる君。最後尾の観客にも、ちゃんと臨場感が伝わるように計算されているのだ。これが最前列だったらどんなに良かっただろう。もしかしたら君の唾や汗がかかってしまうかもしれない。しかし、君の歌に酔い痴れていて、そんなことくらいこの会場の観客達は誰も気にしないだろう。逆にさらに歓声が大きくなるかもしれない。スタート時から、間髪入れずに、十曲以
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