中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
 
モも歌詞も少し暗いものだったような気がする。文芸誌コーナーに向かう途中、僕は少し上気していた気持ちが冷めて、しかし僕は其れを悟られないように、君に訊ねた。
「そうだったのかい。ところで、アルバム制作の方は順調かい? いつぐらいに作業は終了するの?」
 すると君の表情は一瞬曇り、コーナーに着いて暫くした後、今夜討論する文芸誌に載っている今文壇で最も注目を浴びている新鋭作家の中編小説のページを開いた。
「本当に申し訳ないと思っているけれど、もう少ししたら作業が終了すると思う。今、リリックに二、三曲悩んでいて、歌入れがまだ終わってない状態なんだ。曲はもうできてレコーディングしたんだけれどね。発売日
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