中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
動かなくなってしまった。後一分程で、朝日が昇ってくるような雰囲気だった。僕は複雑な感情を抱いたまま、音を立てずにそっと文芸誌を棚に戻し、小説のプリントの束を抱えて、君に別れを告げずにそのまま立ち去った。
僕はその日の夜の君のブログを観た。
「体調不良を起こしてしまった。だから、今日のスケジュールを全てキャンセルし、家でずっと寝ていた」
僕は脳味噌が黒くなっていくような気がして気分が沈んでしまった。僕はすぐにパソコンを閉じ、小説の原稿の二枚目のページの内容を何度も頭に刻みつけたり、パラパラと捲ったりして、落ち着かない心を沈めようとした。しかしそう簡単にはいかず、もう一度ブログを見てみよ
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