中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
ろうか…?」
君は実際にそのような状態になって頭を掻きむしり、何本か長い髪の毛がワックスの効いたツルツルの床に落ち、その体勢のまま動かなくなった。
「…ちょっと、本当に大丈夫かい!?」
僕は無意識に腰を浮かせて、君の肩に手を置こうとした。すると、君は僕の手をはね除けた。
「…暫く黙っててくれ!! そして一人にしてくれないか!! どんなに理性を働かせようとしても、君にまで憎悪を感じてしまって、何かやらかすかもしれない!! …お願いだから何かしないうちに僕から離れてくれないか!! …もう時間だね…僕は気分が落ち着いたら帰るよ…じゃあ、また…」
君は最後にトーンを落とし、彫刻のように動か
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