中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
丁度三時間前ぐらいに君からの謝罪の言葉と、これからも応援して下さいという旨の文章が書き連ねてあった。更に、アルバムツアーの発表も同時に告知されていた。僕はそのコメントを何度も読み、しっかりと頭の中に刻み込んでいた。携帯電話で彼女に君のホームページの事を話すと、彼女は会話をしながらそのホームページに繋ぎ、君のコメントを読むと、喜びの声を上げていた。電話を切った後、僕は嬉しさのあまり今月下旬〆切りの小説を始めから推敲し始めた。しかし、その感情とは紙一重に、言いようのない悲しみが背筋からせり上がってきた。
僕は完成間近の作品を持って文芸誌コーナーへやって来た。君が僕より先にこの場所で待
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