中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
 
君のブログも再開し、その中で君からファンに向けて何らかのコメントを発表すると書いてあった。僕はその知らせを観た途端に、沈んでいた気持ちが一気に全快して、その日が来るまでまるで子供のようにわくわくして待っていた。

 それから一週間余りが過ぎた頃だろうか、停滞していた感情を振り払い、一気に書き上げた卒論を教授に提出し、帰宅して仮眠を取った後、日付が変わる前ぐらいにインターネットに繋いで君のバンドのホームページを観てみると、トップページが一新されていて、一番右下にはフランス語で君の名前が書いてあった。おそらく君がこの一週間で作ったものだろう。それは斬新さで満ち溢れていた。ブログを覗いてみると、丁度
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