メモリアル/ホロウ・シカエルボク
影の尾を掴み
痴呆する夕方
ぬるい病みの連続と
意識下の模索の交錯
爪を噛みちぎりながら
肉食の夢に
ひとしきり溺れた刹那
見下ろした欠片は
一滴の血液を滲ませることもなく
汚れない生はイミテイションに過ぎない
伝染病にやられる確率と
途切れない睡眠の頻度が一致する気がするのは
運命のどのあたりに留まっているのかと
思案の間に縮む日は消えた
ミドリガメが固形餌を静かに喰い尽くして
誰も渡れない
ミニチュアの橋の下で眠りにつくみたいに
水槽の中のいきものは
皆死んでるみたいな呼吸をする
呼吸の仕方を学んだり
芸術の仕方を選ん
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