あなたが求めたモノクロームの断絶/真島正人
んです
ときめきなんです
LOVEなんです
幽霊なんです
船なんです
そこにいません
そんな
手紙の文句が
今頃になって私の唇からはみ出し
うずきのように
とぐろを巻いて
大地に根を張ると
あなたは体から振り絞るような声で
「思い出した」
と言った
夜の
飽和。
核拡散が
ゆりかごのように
新聞を揺るがし
人々もそれに釣られて
眠くなった
みんな眠っている街……
※
ずっと
経ってから
私は一人で
街を歩いた
時間はもちろん夜で
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