ある日の日のこと/番田
の顔から思わず子供の時の笑顔が生まれる。街のいつもの電柱の脇を通ると、郵便局の横を通り、商店街の人ごみの中を私の体は貫いて行った。子供の笑顔にされた私は外に出ていったー。この街の中では「ありがとうございます」、という声が私の右や左から放射するようにして聞こえた。テーブルの赤い蓋をした箱の中には一房のサクランボが入っていると予想した。赤い蓋と青い蓋、緑色の蓋が目の前には存在した。中に何が入っているのか全く見当もつかなかったが、箱の中に入ったそれは高級なテーブルの上に載せられていたのだ。緑色の箱には小さなアボガドが入っていると予想した。私は足を前に出し、体を前に倒すようにして、箱の紙の中に存在するくだ
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