ある日の日のこと/番田
くだものを捉える。私は蓋の中へと手を使って、その中にあるものを私の手の中身にしようとした。蓋の青い箱の中にはきっと、青いブドウが横たわっていることだろう。
ぎしっ、と私は床を強く踏みこんだ。すると下の階に住んでいた中国から来た観光客が怒りだした。テーブルに盛られた大きな皿の上には氷が下に凝縮して敷き詰めてあった。突然遠くから「バカヤロー」という日本語の声が聞こえたので私は、子供の笑顔になって笑ったが、私には子供など一人もいなかった。わたしはそこでサザエとアワビを買うと、すぐに通りに出た。私には父がいて母もいた。兄と弟もいる。ーとても商品自体の値段は高かったが、売り子の娘がとても可愛かった
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