そしてまた、得体のしれない色を壁面に塗りつけるために/ホロウ・シカエルボク
によって修復されていく時の音…そんなものをすべて数えられるくらいに腹をくくるにはいったいどうすればいいんだ?それは、一〇〇年そこらの人生の中ででも可能なことなのか?そしてそれは果たしてすべて知る必要があるのだろうか?命が区切られているわけとは?それは底知れない海に潜るようなものなのか?一度頭を下に向けたらもう浮上することは許されないようなそんな海、先に死んだ天使たちの死体が腐ることもなく直立して出迎える漆黒の深海…俺は天使たちのひとりひとりと口づけを交わす、彼らの冷えた唇はまた、俺の内奥を否応なく震わせる、潜らなければならない、潜らなければ…使命として定められているのであればもう浮かぶことなど考え
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