そしてまた、得体のしれない色を壁面に塗りつけるために/ホロウ・シカエルボク
 
になることが出来る、それは細胞のひとつひとつを過剰なほどに覚醒させ、声を上げさせる、数え切れぬもの共の発声は骨に共鳴して無数の音階を一時に引き受ける音叉の様なものになる、震えて…それは体内のすべてに記憶される、水の泡が弾けるみたいな残響の連続、地下水脈の水面に生まれる波紋のような音とリズムの…筋肉は弛緩しながら膨張する、緩めたときが一番伸び上がるのだ、そのことを知るまでにずいぶん長い時間を費やした、けれど俺はきっとそのことを知らずに時を重ねることは出来なかっただろう、それはいつか必ずささやかな雨のように俺の身に降りかかったことだろう!ひとつ、瞬きをするたびに組織が配列を変え、新たな構成を形作る…水
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