アメリカよぼくは思う『隠者の夕暮れ』/天野茂典
でひとり
大学の教壇にたつ教え子のその後のいきさつは
ぼくの家が火事になって住所録がもえてしまい
もう電話もかけられず
手紙も日本食品も送ることができなくなった
日本語を忘れかけているので『文芸春秋』でもとろうかと思う
とも書いてあった
先生は批評は好きですかときかれてことばを詰まらせたこともある
鎌倉へドライブに行ったときのことだ
飯田かほりさん
あなた
あじさい寺がよくにあった
22歳の筑波大学生だった
なぜアメリカなのか
ぼくはきかなかった
若さとはそういうものだ
しっかりした娘だったので
10年後先くらいの人生設計は話してくれた
それから帰国するのだそう
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