カナリヤ/ホロウ・シカエルボク
はしないのだ
太陽は高さを変えなかった
もとより
たいして必要な太陽ではなかったから
それも
当然なのかもしれない
そんな太陽がそこにあることを
俺は心から不思議だと思った
そんな太陽がそこにあることを
そんな
太陽がそこにあることを
役割
あらゆるものが
なんらかの役割を持って
そこに
存在しているはずだった
だけど
その意味は
聞こえなかった
どこからも
どこからも
なにかが眼前を横切ったけれど
眼球に張り付いた汚れなのかもしれない
足元の脳漿が
少し
深くなった気がした
そんなことは
これまでに何度もあった気がした
とき
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