轆轤肉のクロニクル/人間
鬼が来たりて闌(たけなわ)焼けた
臆見の化石埋もれし層積雲抉る野蛮の質に売る為
ガガンボの脚が散らかる踊り場で打ち水茹だり五稜郭立つ
人身に緑麗し忌憚の葉、鈴生る無残燻すが如く
癇癪婦、矢庭に撒いた卦体糞の深い皺に樟脳を詰む
窒息し葉脈染みた錨の群れ、氷中に未知穿つガロアムシ
アメフラシ産み付けられる弁慶草、春を売り冬を買う姉
雲火事と鉄の砂漠に置き去りのヒトリヒヨケムシ抱く磁力線
なまくらし不眠のツェツェバエ道連れにトリパノソーマ叩き降る窓
反る蛇腹、イオン勾配で笑む重機にピューロマイシン打つネジレバネ
祖々父母の内積に咲く金鳳花炒って偽り煎じて真
渡し箸ハシリドコロ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)