そうして夜が更けて俺は考え込むのだ/ホロウ・シカエルボク
 
な――しいて言えばそれはそういうようなものなんだよな
そもそもだ、詩なんてものはプロセスだけ見れば至極簡単なものだ、もしかいま俺がコンピューターを取り上げられたとしても――紙と鉛筆さえあればそれは作ることが出来る、五百円玉がひとつあれば準備は整うものなのさ
人が紙の上に、あるいはディスプレイの作業領域の中になにかを連ねるとき、それは絶対に自分の話以外ではあり得ない、そこにどんなこだわりが存在していたとしてもさ――それは自分という領域を抜け出したものでは決して、ない、多くの人間がそこについて勘違いをしている、まるでさ、そう、フォークダンスみたいにさ、決まった音楽にのって決まった振り付けを――
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