そうして夜が更けて俺は考え込むのだ/ホロウ・シカエルボク
 
――みんなと、一緒になってさ
そういうことに躍起になってるやつらって詩を書くよりも切絵でもやってればいいのにと思うんだよな、形と結果が綺麗にそろって差し出せるもの、そんなものを
紙と鉛筆なんてもともと、吐き出すために使うものだ、そうだろ?誰にだってそういう覚えはあるはずさ、だけどマニュアルを生み出すことが大事なことみたいに考えるようになってしまって、そういうことを忘れてしまう…大人になってマニュアルのひとつも持ってないなんて恥ずかしいことだ、なんて、そんな風に考えちまうのかな――ほら、バーのカウンターでちょっと珍しい酒なんか飲みながら、切って貼ったような人生論語ってる連中みたいなのさ、そう
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