ナイト・クルージング(乗員も客も数える必要はない)/ホロウ・シカエルボク
としても
俺の手のひらぐらいの魚が跳ねる
ぽっかりと空いた思考の隙間に水音をねじ込むみたいに
堤防沿い
この堤防沿いを
幼いころずっと歩いた
知らないところを歩くことが
小さなころからずっと好きだった
こんなに長く川は続いているんだとか
こんなにもこんなにも太陽は
遠くまで照らすことが出来るんだとか
俺を外に連れ出した時母親は決まって
急に姿を消す俺を探しまくったものだ
だけど
外に出してくれないなんてことは
一度も
なかったな
一度も入ったことはないがお気に入りの喫茶店の
隣で並んでいる自動販売機の明
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