ナイト・クルージング(乗員も客も数える必要はない)/ホロウ・シカエルボク
だけど誰もそれに注意を払うことはない)
コンビニエンスストアの健全な明かりは
もう空にいる星を見え辛くさせる
バイクの本を立ち読みしていた皮の繋ぎの女は
ふたつガムを買って出ていったけれど
その前になにかをポケットにしのばせていた
それが何かまでは判らなかったけれど
ガムふたつ分よりはきっと
値打ちのあるイカしたなにかさ
眼鏡をかけたイカれた目つきの大学生ぐらいの男が
最近新しく創刊された月刊漫画雑誌を読みながら
誰にも責任を取る意思がなさそうなシングルのメロディーを口ずさんでいる
閉店したガソリンスタンドは
他のどんなも
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