中途半端なアダルトチルドレン/チカモチ
 
らしい家族だね、とほめたたえる。幼い子どもに介入の余地などありません。言語化されていない、極めて抽象的な圧迫に対して、未成年の子どもがどうやって太刀打ちしろというのでしょう。同じ境遇に立たされたとしたら、今だって自信ありません。彼らの持つ圧倒的な支配感に飲まれ、否応なしに彼らの期待通りに、つまりあらゆるエネルギーを閉ざして従順に生活していたと思います。

一見人格者でありながら支配欲が恐ろしく強い祖母、典型的な内弁慶段階世代の父、そして卑屈さがすっかり体内に浸透し、常にストレスと脅迫観念に駆られていた母。それぞれが違った方向から私を抑圧していました。彼らは彼らのやり方で、十二分に私のことを愛し
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