【連詩】 三軒目の鴉/古月
い越していく
空
っぽのおなかが
ひび割れて散り散りになったので
そのかけらを指で
つないだ 風がすこしうごいて
けれど「わたし
ぜんぜんゆが」んだ
り、しなかった
因果 陸上では窒息する
指は
かぜ切り羽の名残
だと
耳を澄ます
「どこにも帰れない」
/金属の鈍色で
/葉脈の刃先に軋む 、
/光沢(この指先が
、水底に沈んでいたころ)
砕かれた空に戻ろうと
鐘の音を追ったの、に
光る指先/わたしをね、じって/
乱反射する、を
埋めていく/埋められていく
わたし/あなた
電線のつづく空を、
つづく空の、
底に三次元を
ころし て
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