だけど、そういうことって/ホロウ・シカエルボク
そこそこいいヤツだって言ってたけど。」
判るもんか、と俺は言う
彼女は無言ながら
同意、というふうに肩をすくめる
ズッ、ズーッ
俺たちは途端に
高揚感を愛情とはき違える
それは、もう
とんでもない、有様だった
はき違えた、ついでに
腰まで違えそうだった
それでもなんとか
俺たちはいろいろと片付けて
そそくさとフロアーに戻った
ダンスのための
ちいさなスペースで
小競り合いが始まっていた
アンタ、と娘が言った
あそこに混ざってきなさいよ
「アンタなら全員ボコボコに出来るわよ。」
ああ、きっとそうだ、と俺は同意する
だ
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