だけど、そういうことって/ホロウ・シカエルボク
室外機、の
吐き出す蒸気
粘っこい舌で
べろりとやられる
そんなウンザリに
似てる
八月の終わりのこと
ブッとんだヴァイブが欲しくて
歓迎されない扉をくぐる
入口にいる
女は
初めての客にも優しい
(そうね、少なくとも、入ってくるときだけはネ)
ちょっとそこいらじゃ
知ってるとは言えない匂い
サボってる細胞に
チクチクとくるこの匂い
どうしようもないほど
ゾクゾクとしてくるんだ
それはもう
漏らしちまいそうなくらいにさ
カウンターで隣り合わせた女に
持ってるかどうか聞いてみた
「待ってて。探して
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