分解するのが男の子、解剖するのが女の子/手乗川文鳥
 
教室で、私は全然納得がい
かないので、新しい教室で何度もやり直して、それでもやっぱり
青くて、酸のありかを求めて、黒板睨んでも睨んでも窓の外で銀
杏がくさくて今日はもう帰る。



森は、燃えて、樹が、西に倒れた。食堂で椅子にもたれながら、
だれもいない空洞に露は溢れた、交差する赤い靴の軌道を計算
しながら、秘密が保たれている、それが空洞で、外皮は硬くな
りながら収縮して、恐らくわたしも燃えている。



嘘つきの男の子が、ずっと好きだった、わたしは女の子ではなか
ったから、触れることもできなくて嘘もついてくれなかった、わ
たしは消しゴムだった、机から転げ落ちて、嘘
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