分解するのが男の子、解剖するのが女の子/手乗川文鳥
死んだ、という夢で、それが本当に夢ならばなにも悪いことはな
かったのだけれど。
山を越えて、海があって、岬があって、灯台もあるけれど、原発
があって、台無しになった町へ、行ってなにをするでもなく帰っ
た日は、顔の色の彩度と明度が低くて、どこにいてもなにもかも
明るくてまぶしい、風車はとてもうるさい。
お母さんは起こしてくれるけど、目覚まし時計ではないから、分
解して、もう一度組み立てても、もう二度と男の子を起こしては
くれないし、男の子はもう二度と目覚めることが出来ない、ここ
はそういう森でした。
BTB溶液を落として、青くなったのが教室
[次のページ]
戻る 編 削 Point(12)