ジュリエットには甘いもの 後編/(罧原堤)
ゃにね、そのね、ラベルにね、死ねって書いてあるらしいのよ、それもすべての製品によ、アヒルのぬいぐるみにだって」
「困ったな、死ねとかいてあるのか……、それはもはや標識みたいなものだ……、多くの人々が従わざるを得ないだろう……、こうしちゃおれんぞ。おもちゃ工場に行くしかない。それしか道はないぞ」
渋谷はハッとして、気づいた。「僕のお母さん、今日、アヒルのぬいぐるみ、買ってきた」渋谷は言葉を呑み込んだ
「お前の母さん、死ぬぞ」鳥男が冷ややかに言い放つ。
「僕、帰らないと!」身をひるがえして、駆け去ろうとする渋谷の肩を、鳥男が物凄い力で押さえつけ、
「ダメだ。お前は私たちと一緒に行動しなけれ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)