ジュリエットには甘いもの 後編/(罧原堤)
れば……、早く家にかえって、書き込まないとな、うまく撒けないかなぁ、こいつらを……)
渋谷は始めてのスクープに心を躍らせ、身が軽くなったような感じだった。軽快で、うきうきしていた。(なんだかこれじゃ、新聞記者みたいだな)「ふふふ」
「なにを笑っているんだ?」鳥男が攻撃的な目をして、渋谷を穴のあくほど凝視し、「なにがそんなにおかしいんだ? これからやらなければならない大変なことのことを思ってもみろよ、笑えないはずだぞ……」
怖くて、顔面が硬直してしまった渋谷に多義子が救いの手を差し伸べた。のか?
「こんな坊やをいじめたら可愛そうよ、渡辺さん。それより聞いてよ、さっき大変なことがあるって言
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