ジュリエットには甘いもの 後編/(罧原堤)
る通りよりもう一個先の通りだった。一瞬、(やっぱり境界なんてなかったんだ……)と、気落ちしたが、ハッとして、気づいた。トンネルを潜り抜ける前はあれだけ真っ暗だった空なのに、この通りは街灯は付いておらず、太陽が輝いている。どういうことだろう? 不思議に思い、渡辺は曲がり角を曲がって、自分の家のある通りまで走ってみた。うまく走れなかった。手が無くなってしまっていてかわりに羽毛に覆われた翼がついていた。足もグロテスクな三本の指、先端に鋭い爪。Wah-wah!── 頭の中がパニックになりそうだった──だけどすぐに渡辺は自分の変わり果てた姿を受け入れた。なぜかわわからないけど、すぐに…… こんな姿かたちにな
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