ジュリエットには甘いもの 後編/(罧原堤)
しい、でも淋しいなんて絶対言いたくない、誰にも……、逃げ出したい、どこかへ……
一日使い捨てのコンタクトレンズをずっとつけつづけていたせいで、左目が痛く、目を開けていられないほど痛く、涙がポロポロととめどなくあふれた。パソコンを起動させると、約束どおり、mixiからの招待状が届いていた。もう5年ほどの付き合いになる、いまでは心をひらける唯一の友達になってしまっていた洋子からの招待だった。多義子は始め何をしたらいいのかがわからず、なにげに、自分の名前で検索してみた。1件ヒットした。どこか見覚えのある名前だった。そして見覚えのある顔、多義子は寝起きで頭の回らぬままその人物の写真をクリックする、そこ
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