ジュリエットには甘いもの 後編/(罧原堤)
 
。それなしには腹の虫がおさまらなかった。壁を殴りつけ穴をあけることもあった。花瓶を持ち上げ投げつけて割ることもあった。きつく、自身にその悪習を断つことを幾度も試みていたのだが……

   19  電子メッセージよ、きみに届け!

 母山多義子は目覚めた。パジャマにも着替えずに、ジーンズのまま寝ていて、ほつれた髪が口に入っていた。けだるい。カーテンを開けると真っ暗。誰かが街路を歩いている。携帯を開く。もう夜の8時半を過ぎている。体がだるかった。こんな生活がここのところ続いていた。昼夜逆転の生活が。私いったいどうしてしまったのかしら、いつからこんな怠惰な生活になってしまったんだろう……、淋しい
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