ジュリエットには甘いもの 後編/(罧原堤)
。恵まれない子供達のために寄付するのか、それが俺の歩むべき道なのか?
18 安タバコを吸うときこそ周囲に思いやれ
クラっとくるほどの重い荷物を積み込む。辛い毎日。血に滲む手のひら。唯一の楽しみは助手席に転がしてる蜂蜜を舐めることだった。一労働終われば缶のふたをあけて指を突っ込み、ペロっと一舐めする。ああ、美味い。甘い。この一時の幸福のために働いているのかも知れないな。それに、待ちに待った注文品が届いた時の人々のあの喜んだ顔! こっちまで思わず顔がほころんでしまう。でも、タフでなけりゃやってけないけど。でもみんなの笑顔が力を与えてくれるんだ、だから頑張っていけるんだ。道路をひた
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)