ジュリエットには甘いもの 後編/(罧原堤)
ひたすら走り続ける。夜空にきらめく月を眺めながら。果てしなく思える。どこまでも道が続いているように思える。運転手は軽トラをコンビニの駐車場に停めると、腕時計で時間を確かめる。うん! 9時までには間に合うはずだ、と。キラキラ輝いた目でコンビニのドアを開ける、ちょうどお年寄りが店内から出ようとしていたので、彼は、ドアを開け続ける、お婆さんは、彼に笑顔で、「どうもありがとう」
「いえいえ」そして、缶コーヒーを、と。そしてスポーツ新聞に目を走らせた。殺人事件が一面に出ていた。そして、その加害者の親族の写真が写っている。悲痛な表情で、『普段は大人しい子だったんですが……、ちゃんと真面目に仕事もしていました
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