私の好きにさせてくれ 2/テシノ
噂のある一般市民を宮廷に召し上げて変な実験に入れ込んだり、なんて事もあったようだ。
まぁ暇だったんだよね。平和な時代だったし。
さて、真っ青になるベーヘメンに対して、当のイグナーツは怒り狂うルドルフを前にしても涼しい顔。
「俺達の時計をそんじょそこらのものと一緒にしないでくれないか。
存在しない13時を報らせる時計を持ってるなんて、世界中であんた一人だけだぜ?」
言い切った、言い切ったよこいつ。どう考えても詭弁だろ。
しかしまたルドルフも「あ、そっか。言われてみればそうかも」って納得しちゃう。
狙ってたね、イグナーツは絶対、ルドルフのオカルト趣味を。
でも、そもそも外観は素晴ら
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)