私の好きにさせてくれ 2/テシノ
 
ヘメンが装飾担当でした。
この二人は大変売れっ子だったようで、結構な数の時計を世に送り出しています。
とは言え、彼等は芸術家ではなく一介の職人。
自分達が制作したものに名前を入れる事なんて許されなかった。
そこで二人は考えた。
名前が入れられないのなら、一目で自分達の作品であるという事がわかればいい。
てなわけで、彼等は自分達の作品に共通する2つの特徴を作ったわけです。
本体の素材にはローズウッドを使う事、そしてそのどこかに必ず火焔模様を入れる事。
これらの特徴から、のちに二人の作品は「ロート・フランボワイアン(赤い炎)」と呼ばれるようになったんですね。

さて、そろそろ彼等の
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