太陽/ホロウ・シカエルボク
のニュースでタレントがゲームの途中で怪我したと、帰りの話題はそんなところで
五体満足の僕たち二人は歩幅並べて家まで歩いた
行きにジャレてた野良猫は貰った魚を食べていた、もしか君があげたものかも
ぴいぽうぴいぽう救急車、山のふもとへ大急ぎ「あそこのあたりは一人暮らしのお年寄りが多いから」
ひととき足を止めてから君はそんな話をした
話をするのも億劫なほど激しく雨が降り出して
買ったばかりの靴を濡らした僕はムスッと口を閉じて、君がころころ笑っているのにちょっとの間気づかなかった
「こんな天気に穿きたがるから…」そういうことは判っていたので僕は黙って頬を弛めた
あれは同じ八月だったよ
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