ぼくは遠い火になりたかった/ホロウ・シカエルボク
ぼくは遠い火になりたかった
ビルのかげや
山のむこうで
ちらちらと
ときおり
消えたみたいに見える
ながくながく燃える遠い火に
それを
めざわりに思った誰かが
消そうともくろんでも
どこで燃えているのかわからない
だれが
つけたのかもわからない
そんな
不明だらけの
消すすべのない火
照らすでもなく
知らせるでもなく
ただなにか
気まぐれのような目的で
燃えている
遠い火
あの火の意味が
きみには見えますか
ぼくには判ったんだ
たんたんと燃
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)