ぼくは遠い火になりたかった/ホロウ・シカエルボク
 



ぼくは遠い火になりたかった


ビルのかげや
山のむこうで
ちらちらと


ときおり
消えたみたいに見える


ながくながく燃える遠い火に


それを
めざわりに思った誰かが
消そうともくろんでも
どこで燃えているのかわからない
だれが
つけたのかもわからない
そんな
不明だらけの
消すすべのない火


照らすでもなく
知らせるでもなく
ただなにか
気まぐれのような目的で
燃えている
遠い火


あの火の意味が
きみには見えますか
ぼくには判ったんだ
たんたんと燃
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