そうして夏は行ってしまった、翼竜の化石のように/ホロウ・シカエルボク
 

ほんの一瞬だけ俺を睨みつけて殺意を伝達した、それで
お前それにどんなふうな効果線をつけてくれるつもりだい
俺が震えあがらずにいられないような、そんな…絶対的な説得力が
お前と俺の間で成り立つとでも、なあ、思っているのかい?
店を出てすぐの薄明るい裏通りで三人の乞食が
圧倒的な声量でテンプテーションズを歌いあげていた、だけど、駄目だ
明るい光の下を拒んでるようじゃ、お前たちはそれ以上どこへも行けやしないさ
踏みつぶしたジタンの吸い殻にゃドギツい口紅、なあ
ゴロワーズって煙草吸ったことあるかい?
タクシーがたむろしてるあたりへとろとろ歩いていると
デカダン
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