そうして夏は行ってしまった、翼竜の化石のように/ホロウ・シカエルボク
ように翻して
水平線の向こうにあいつは消えてしまった
流行のうたが見せかけだけの寂しさをおざなりな涙で歌い始めて
脳の詰まった雛たちがソフトクリーム舐めちらかしながらそのトラックに群がる
おとぎ話みたいに簡単に迷ったり救われたり、繰り返すから
だからいつまでたっても孵ることが出来ないでいるのさ
さようならもせずに行ってしまうことを美学みたいに言い始めたのは、誰だい
あの、歯を剥いて喋るアメリカの俳優かい?
白けちゃうぜ、あいつらの時代には
いつだって別れの場面にオーケストラがつきものだったっていうのに
舌打ちをして店を出ようとすると、ウェイターは一瞬だけ
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