新大久保の女/はだいろ
 
た。
だから、
本や、
映画や、
音楽のなかに、
ぼくのほんとうの父親を、
探しに行かなくちゃいけなかったんだ。


サービスよ、と言って、
Cちゃんは、ゴムをつけさせてくれた。
こないだ、膣内射精できなかったので、
挽回したくて、
両足を抱えて、腰を振るのではなくて、
腕立て伏せの要領で、
奥まで差し入れをしていると、
すぐに気持ちよさがやってきた。


でも、父のことが、嫌いなわけじゃない。
キャッチボールをしてくれた。
盲腸で入院したとき、手をさすってくれた。
高校に合格したとき、喜んでくれた。
大学をやめたとき、すごく年老いたかんじがした。

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