ジュリエットには甘いもの 中篇/(罧原堤)
だ、俺はウスバカゲロウだ。
いつから気づいてたんだ? 俺が鶴でないことを。こうまで鶴になりきってた俺がバカみてえじゃねえか。お前は物語。俺は何も語れねえ。ただできることは、いつも岩を打ち砕く。つるはしで。夢も打ち砕く。鶴が打ち砕く。ようしゃなく羽をひろげて。鶴ってのは用心深いんだぜ、気を許してるから口もきくし、用事こなすけど、ふつうだったらとっくに浮気してるよ。タヌキの葉っぱ占いでさ、こん前、ふつうだったら気にしないんだけどそんな星占い。お前、鶴じゃないだろそのうちバレる、って、吐き捨てられてさ、だって俺って鶴じゃん。
気づいてないんだろ? 俺の正体に。うすうすしか、うすうすとしか感じてな
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