ジュリエットには甘いもの 中篇/(罧原堤)
てないんだろ? まだ。だってほらこんなにタンチョウじゃんよ。俺だって知ってたんだよ。昔からだよ。前からだ。ずっと、ずっと。光のほうに向かってたら、ガラス窓にぶつかって、俺、悔しくて、だから鶴を装ったわけさ。お前のことみんな物語りって呼んでるから、目に見えないし、耳で聞こえねえけど、お前なら俺を鶴にもするし、気づかないふりしたまま話を進めてくれるって。
だがよ、いつから知ってたんだ? 俺がウスバカゲロウだってこと? 起承転結のどこよ? まさか起か? 最初からか、なにもかもお見通し、いやいや、お前は絶対抜けている、俺はよじ登る、木々をよじ登る、大樹をよじ登る、木に登るのが好きなんだ、しかし、お前は
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