ジュリエットには甘いもの 中篇/(罧原堤)
説に出せないかしら? なんか変じゃない?」
「おかしいよね、雰囲気が……、ちょっと書いたのあるよ。あの展望台を」
「どういうの? 読んでいい?」
僕はルーズリーフの束の中からごそごそ探し始めた。すぐに見つかった。ちょっと恥ずかしさを感じたが、僕は朗読した。こんなものを朗読するのは本当に恥ずかしかった。
「……え、と……」30秒ぐらい沈黙。「あ、……え、と……」
「なによ、あんた朗読する気なの? だったらびしっとやりなさいよ、びしっと!」
「……う、うん、えと、……毎日、……毎日オラはクワで田んぼをすくだが、オラのほこさき、ふんどのいきどおり、もはやがまんのげんかい、りんかいてん。すっ
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