ジュリエットには甘いもの 前編/(罧原堤)
 
当はこの世界で一番の美貌をもつお姫さまなのです。王子様のキッスで本来の姿に戻れます。どうか私を元の姿にもどして、お嫁に貰ってくれませんか?」
 私は漲る腕で彼女の首を引き寄せ、ねじり込むように舌を入れ、淫らな音を立て、吸い、舐めあう。そして私は彼女の唇を噛み千切り、頭部を噛み千切り、心臓を噛み千切り、手足を食い千切り、彼女を殺してしまう。なぜなら、私より美しいものがこの世に存在してはならないからだ。

   4  追放されし私は、さながらヘドバとダビデか  

 たましいが夢の世界に遊んでいたおり、いつものように抜け道をとおり抜けある晩餐会で飲食していた。すると一人の牧神が、見咎めて、
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