ジュリエットには甘いもの 前編/(罧原堤)
 
体、ぶっこんでやる。俺はただ自分の精一杯のことを、今、できるすべてがそれだから、やるだけで、別に、死にたいわけじゃねえ、だが、俺、急降下、ただいま急降下中であって、そりゃ前髪全部オールバック、そして今、俺は輝きに満ちている。希望がなければ人は跳べない。そしてその希望は、俺にとって、いや、俺にとらずとも、嘘でなく思える、それらの希望、誰にとっても、輝かしいものだと」

   9  私のいない天上界はかくまで遊惰か

 牧神がいらだっていた。
「そもそも天界に猿などはいれるわけないじゃないか。うろちょろしやがって」
 と。
 女人が、
「あら一匹ぐらいかわいいものですよ。それよりあなた
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